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ここまでは全国どこにでもいる普通の校長先生だ。そう、ここまではね…
校長先生は全校生徒の顔を確認するように会場を見回すと、ゆっくりとその口を開いた―
「あのねーー、僕ねーー、夏休みのねーー、中頃にねーー、海にねーー、いったんだけどねーー、その時にねーー、美人なねーー、お姉さんにねーー、逆ナンされてねーー、僕ねーー、嬉しくてねーー、でもねーー、僕ねーー、こんなねーー、美人なねーー、お姉さんがねーー、僕みたいなねーー、おじさんにねーー、なんでねーー…(割愛)」
ついに始まった。
この校長先生の変なしゃべり方こそ四得川高校名物(?)「バナナ○ン校長」だ。いつごろからは知らないけどみんなそう呼んでる。
まぁ呼び方なんてどうでもいいんだよ。
この校長先生の話、ウザいしゃべり方に加えて話が長い。源氏物語ぐらい長い。終業式の時は一部の人の命をかけた妨害によって短くてすんだけど、幸運はそう何度も起こらないって誰かが言ってた。
誰もが長時間の地獄を覚悟した…そのとき!
壇上へと向かう人影、皆がその人影に気づいたときにはすでに「彼」は校長先生の襟首を掴んでいた。
「…ねーー?」
「なげぇんだよクソジジイ。降りろ」
その影は我等がヒーロー菱川先生であった。
自分よりも立場が上のはずの校長先生にジジイ呼ばわりして引き摺り下ろしていく菱川教諭。…なんか菱川先生の位立場がわからなくなってきた。
「連れてかれたな」
「ざまぁwww」
「いいのかな…」
大丈夫だろうとは思うけど…
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