第3章~6月9日はパチュリーの日…だと…?~

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ビープ音や楽しげな声、コインの落ちる音、それらが重なったざわめき。 そして煌々と輝くコインゲーム、レースゲームの蛍光灯。 ヴィにはきっとそこが光輝く夢の中のように思えただろう。 きっと死神界にはこんな場所はないだろうから。 そう思い立って、馬鹿みたいにはしゃぐ琴に当てていた視線をヴィの背中に向けると案の定、彼女はぼーっと動きを止めていた。 予想通りの反応に僕は少し口元を緩ませると隣に移動した。 「ほらヴィ、これがゲームセンターですよ。そういえば、貴女のいた世界にゲームセンターってありました?」 「いやwwwなんかねwwww人間界に来たらなんか変わると思ってたらねwwwwwゲームの内容以外変わんないっていうねwwwwww」 「え?そっちにもゲームセンターあるんですか?てっきりこの類の娯楽施設なんか無いのかと思ってましたよ…。ええと、内容以外ってどういう意味ですか?」 するとヴィはこちらを向いて馬鹿にするような顔する。琴と阿部はすでにどこかへ行っているが。 「内容以外てwwwwそりゃ内容だけが人間界のと違うって意味だよwwwwそんなこともわからないなんてwwwwwwwwwww馬鹿なのwwww?ww死ぬのwwwww?」 「うざ……ああすいません、すいません。言い方間違えました。なんていうか…その…死神の世界のゲーセンにはどんなのがあるのかってことですよ」
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