第1章~どうした?笑えよベジータ~

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さっき琴がさも僕がいつも無視する様に言っていたがそれは大袈裟だ。 早起きの琴に比べて僕はよく寝坊するタイプ。相性はあまりいいとは言えないだろう。 そもそもなぜ今、琴が僕の部屋に来ているかというと幼なじみな僕らは家が真横同士でお互いの部屋へと屋根で渡れるので、いつも琴が起こしに来るのだ。 僕はため息をつきながら泣きじゃくる琴を見ていた。すると唐突に、 「うおっほぃwwwww女泣かせとかwwwwwwリア充爆発しろやwwwww」 昨日僕に憑いた死神がクローゼットから顔の前に腕をクロスさせ、木の扉を破壊しつつ飛び出てきた。 「うひゃあっ」 「ぶっ」 琴が驚いて鼻水まみれのクッションをほうり出し、それが僕の顔にクリティカルヒット。 あー汚い。 「うはwww汚ねぇwwwwwこれが本当の汚顔ですってかwwwwやかましいわwwwwww」 汚いのは言われなくてもわかってる。 僕はそう頭の中でつぶやくと部屋を見渡した。 呆然とする黒髪の幼なじみと鼻水だらけのクッション、無残にもヴィの形を象ったクローゼットの穴、そこあたりに散乱する無数の木片。 長い黒髪の幼なじみは突然の乱入者に何も言えず、文字通り固まっていた。 なんというか、石化、とでも表せばいいのだろうか。 呆然とする彼女を前に僕は頭のなかで不満を漏らす。 琴、何呆然としてるんだ。 この部屋の状況を見て呆然とすべきは僕だろう。 「まったく、どうしてくれるんですか、この有様…ってパソコン見るな」
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