第3章~6月9日はパチュリーの日…だと…?~

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僕が走って追いつこうとバックの肩当てを直したときヴィは左折する曲がり角に差し掛かった。 肩を落としながらヴィがそこを曲がろうとしたその時、彼女の前からいきなり人影が踊り出てきた。 「ふぅ~う、遅刻だぜ」 「ヴィ危なっ…」 突然の出来事だったのではっきりとその人影を確認出来なかったがヴィはひらり、と華麗に横へと回避する。 てっきりヴィがその人影と衝突するだろうと思っていた僕は彼女のように回避する準備ができていなかった。 「おっと」 「うべぇっ」 僕は完璧に無防備な状態だったので相手の勢いを全て受け止めて地面に転がった。 地面はもちろんコンクリートだ。 「おいおい、大丈夫か?」 後頭部を激しく打ち付けて悶絶する僕は、ぶつかってきた人影―声からするとおそらく男性―を見上げる。 ぶつかってきたのは異常に声がダンディな青色ツナギ姿の青年だった。 彼は僕の頭を抱えて足を丸めている情けない姿を見て恍惚そうな表情を浮かべて、 「ん?なんだその格好は。ケツをそんなに突き出して。いいのか?俺はノンケでも構わず」 彼はそこで一旦言葉を溜めるとツナギのチャックを上からゆっくりとずらしてそこにこれまたゆっくりと左手を差し込んで上下させながら、締めの言葉を放った。 「くっちまう男なんだぜ?」
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