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「ああ…なるほど…」
そうつぶやきながらヴィに本を返す。
ヴィはどう!?みたいな顔をしているがどうもこうも最悪な気分なんだが。
「おもしろかった?ねぇおもしろかった?」
「…」
なんでこいつはこんなときだけ普通の口調と表情に戻っているんだ。いつもがニヤニヤ笑いかなんかだから釈然としない。
だとしてもこれを面白いとは言い難い。
なぜなら僕は一歩間違えれば公園のハッテン場に連れていかれ朝からくそみそな状態になっていたことだろう。
だからここは正直に
「二度と見せないでください」
それを聞くとヴィは少し悲しそうな、寂しそうな表情をしたが、すぐに取り戻しいつものニヤニヤ笑いに戻った。
「まあリア充なんかに分かるはずがねぇおwwwwwwニコ厨でありwwww兄貴タグを愛している漏れにwwww死角なんかないwwwwプギャーwwwwベリントン最高ォォォォォォォ!」
ヴィはいつもの表情と口調に戻って叫びつつ教室へと向かっていく。
まあ、なにはともあれ気味の悪い大人しさが無くなってよかった。
よかった…のかな?
いや、よかったんだろう。
「ヴィ、待ってください!教室通り過ぎ…あっ危ないっ!」
「あべしwwwww」
僕は安堵感に包まれつつ廊下の突き当たりに激突したウ゛ィを教室に引きずっていくこととなった。
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