第3章~6月9日はパチュリーの日…だと…?~

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「あ?なんだって?よく聞こえないわね」 「はっはいっ!」 先生はそうか、と呟き眼光鋭い顔を離して背筋をぴんと伸ばし、メガネをかけた。 ヴィは下手な口笛を吹いてまったく僕のことは気にかけない。少しは気にしろ、お前のおかげでこのドSな先生に目を付けられたじゃないか。 ヴィに非難の視線を送っていると立花先生はコツコツと足音を廊下に響かせつつ優雅な足取りで教室のドアを開けた。 僕とヴィもそれに続いて教室に入… 「ヒャッハッハッハッハッwwwwもしもしドナルドですwwwww」 ニヤニヤ笑いながら爆弾を放ったヴィを先生はまったく気にしていない。 しかしながら眼前のクラスメート達は全員狐につままれたような顔をしている。 はあ…めんどくさい。 教室にはすでに二人分の席を除いて全て埋まっており、琴も教室の奥の方で僕らに小さく手を振っていた。 しかし、僕にとっては今日が初めてクラスに入るようなものだからそれなりに緊張する。 昨日はヴィも僕も琴以外は先生に監禁されるか保健室のベットで一日過ごすぐらいしかできなかったからな。 とまあ昨日の騒ぎと今さっきのヴィ的爽やか挨拶のせいでクラスメートの視線がすべて質量を持っているような気がする。
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