第3章~6月9日はパチュリーの日…だと…?~

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僕が琴と阿部の噛み合わない会話を、通常より5倍白けた目をして聴いているとヴィが背伸びしながら 「あーwwwなんかリフレッシュしたいwwww忌まわしい記憶をwwwわたすぅの海馬コーポレーションからwwwwwwwww粉砕☆玉砕☆大喝采wwwしwたwいwおwwwっうぇwww」 そうのたまったヴィを見て僕の背後にいる琴は目を輝かせながら右手を勢いよく挙げた。 「はいはいっ!あのっ私、皆とどっかに遊びに行きたい!ヴィちゃんのリフレッシュも兼ねてねっ、ねっ?阿部くん、どう?」 話を振られた阿部は振り向いた僕を熱っぽく見つめて、琴へ向き直り明快な響きをもった返答をする。 気持ち悪い。 「俺は傷太が行くならいいぜ」 僕は行きたくなくなったが。 阿部の返答を100倍の笑顔で了解した琴は、初めて父親から遊園地に連れて行ってやると言われた一人娘のように頬を紅潮させて期待満タンの瞳を僕に向けた。 しかし僕が行くことになって、もし阿部なんかと二人きりにでもなってみろ。間違いなく強姦されるだろう、いやされないはずがない。 この無垢な子供のようなキラキラした瞳を裏切るのは若干気が引けるが、自分の身を守るためだ。分かってくれ、琴。 第一、阿部やヴィや琴、お前のせいで今日は疲れてるし。 「あーすいません…ガッ!?」 断ろうと口を開けた瞬間に首の後側から鈍く重い衝撃がのしかかり、僕の発音機能を痛みと共に奪う。 後ろということはヴィかっ! また心の中を読みやがったかっ!くそっ!痛い痛い、首を絞めるな。 「ぬぅうぅぅぅうるwwwwwぽォォォォォォォォォォォォwwwww!こいつ行くっておwwwwフヒヒヒwwww」
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