10

4/5
前へ
/14ページ
次へ
翌日、ブラックは同じ場所にいた。 学校の真ん前にある、小さな駐車場の小さな屋根の下。 ブラックに、小さく手を振った。 当然だけど、ブラックは無反応だった。 ちょっと、胸が痛んだ気がした。 その日の帰りも、ブラックを見た。 朝と違って、俺をじっと見ていた気がした。 ちょっと、歩みを早めた。 なぜか、泣きたくなった。 その翌日も、そのまた翌日も、ブラックは同じ場所にいて、クラスでもちょっとした話題になってた。 なのに依然と飼おうとしないクラスメートと、先生と、世の中にムカついた。 "腹が立つ"というのを覚えたのは、その時だったかもしれない。 .
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加