§23 Circumstances under surface of the water

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しかし、急にイアンディール教官は大人の物静かな雰囲気へと変わった。 それに気付いたラウドはやや平常心を取り戻す。 「心配しないで。アタシ、見た目は美女でも心はちゃーんと男だから。取って食ったりなんかしないわよ。美少年」 しかし、発言はどうも先ほどと変わりはない。 見た目三、四十代のオッサンの発言ではない。 ラウドは無言で頬杖をついてなるべく目線をそらす。 すると、イアンディール教官はどことなく寂しそうに笑った。 「ねぇ、あの子…やっぱりフォース辞めちゃったんだ?」 「…そうみたいですよ」 意外にも普通の会話を始めたので、ラウドも無視せずに返答する。 ふと視線を向ければ、決してふざけた訳ではない大人の男性の顔のイアンディール教官。 ラウドは目をそらすのをやめた。 「美少年、名前は?」 「…ラウド=イグレンです」 「そう…ラウド君、ね。ありがとうラウド君」 突然お礼を言ってくるイアンディール教官にラウドは無表情のまま無言。 放置してあったココナッツミルクの上層部は、最早溶けた氷の水でやや透明だった。 .
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