§23 Circumstances under surface of the water

4/19
前へ
/628ページ
次へ
この町に着いたのは一時間ほど近く前。 「むー、邪魔くさいぞ」 「…相変わらず無駄に人が多い町だよね」 列車でここまで来たのだが、駅に降りた途端に見渡す限り人、人、人。 思わずラウドの肩にしがみ付くルースと、隣を歩くフィリアは小言を言ってしまった。 ラウドはふと眉をひそめる。 「お前ここ何度も来てんの?」 「ん、何回かね。任務と言うより、一種のお使いみたいなものかな。この町、少し他とは違って閉鎖的だから」 フィリアは周りの人込みを横目で見ながら返答。 ますますラウドは眉を寄せた。 「緑の海に浮かぶ島、って事か」 すると、肩にしがみ付いているルースは怪訝そうに「うぬ?」と声をあげた。 「何だ?そのなんとかなんとかの島とは」 「たとえ言葉だ。列車ん中でフィリアが言ってただろ?」 何を今さらとでも言うようなラウドだが、隣でフィリアは苦笑。 「ラウド、ルースさん着くまでずっと寝てたから」 「あ」っと思い出してラウドはため息をついた。 ルースは不機嫌そうに唸り声をあげる。 .
/628ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14232人が本棚に入れています
本棚に追加