§45 Happiness of name of freedom -last part-

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ラウドとアイルは無言で全てを見守っていた。 十数年、彼女を縛り続けていた男はほんの数分で跪(ひざまず)かされた。 人間とは恐ろしい。 人間とは愚かだ。 力や魔法など関係無しに、強き者を縛り付ける事が出来るのだから。 此方に帰ってくるベルナとは対象に、ラウドは気絶しているダランクードの元に歩み寄る。 奴の懐を漁れば、これまた呆気なくお目当ての物が見付かった。 ラウドの手のひらには金色の鍵。 同時にアイルの腰に付けられた鍵と、ラウドの首元の鍵が熱を帯びた。 「…当たりだな」 ラウドの小さな呟きは静かに部屋中に響く。 何故だろうか──。 終わった。 事は終わったにもかかわらず、このどうしようもない虚しさは一体何故だろう。 ベルナは強く壁を殴った。 「…ッざけんじゃないよ…!あれだけ苦しめといてッ、何でこんな簡単に…!」 そう──簡単に終わったからこそ、悔しかった。 今までのベルナの苦しみは、晴らし切れぬまま終わってしまったから。 アイルは何も言わず、ただ腰にある鍵の熱を感じながらタバコを取り出し、火を付けるとゆっくりと吹かした。 .
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