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すると、、妙な機械音と共に勝手に闘技場が下に下がり始めた。
思わず身体のバランスを崩し、しゃがみ込む二人。
「な、何故勝手に…!」
ルヴィは狼狽えながら遠くなっていく天井を見上げた。
だんだん、だんだんと遠くなる。
フィリアはもう一度息をつくと、おもむろに首元に巻いてあった布を外した。
それは──全てが終わったと悟った証拠。
そんな事は知らないルヴィは彼の、否、彼女の行動に怪訝に眉をひそめた。
「…全く、これなら別にこんな格好しなくたって…」
ぶつぶつと文句を呟きながら、フィリアは身体を覆っていた布も外す。
取り敢えずは男物の服。
しかし、、
スリル──紅いウィッグが外されたのと同時にルヴィはピシリと固まった。
そのウィッグの下からは、本来の紅く長い髪が現れたのだから。
「そ、ソナタ!まさか…女!?」
ルヴィは目を見開き、震えた指でフィリアを差す。
それに気付いた彼女は一瞬きょとんとなると、直ぐに「あぁ」と納得した。
「まだ言っておりませんでしたね。私は正真正銘、女ですよ」
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