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それは多分──解放される嬉しさから。
ルヴィは未だに実感が湧かない心境だったが、泣き付いてくるリスタを見てだんだんと現実へと帰ってくる。
「…終わった、のか。そうか…終わったんだ。もう縛るものは無いんだな──オレ達は自由なのか」
一言一言丁寧に口に出せば、しっかりと実感出来る現実。
そんな彼らを横目にしているフィリア。
すると、もう一つ小さな影が現れた。
「ふん。下手物男も呆気ないものだな」
赤い小さな小動物は憎まれ口をたたき、軽い足取りでフィリアの足元に歩んでくる。
「お帰りルース。って事は、そろそろ逃げないとマズいかな」
フィリアは赤い猫…ルースの登場にやや焦りの表情を浮かべた。
そんな彼女の反応にルヴィはしどろもどろ。
「ソナタら…一体何者だ?それにマズいとは…」
眉を怪訝そうにひそめる銀髪の男に、リスタはハッと我に返った。
「はわっ!そうでありました!ルヴィ殿!急いで逃げるであります!直にここにもフォースの軍勢が来てしまうでありますよ!」
途端、ルヴィの顔は怪訝から焦りの色へと早変わり。
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