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スレイブ・パースタイム
奴隷遊び がフォースに取り締まられ、一日が経った昼頃。
ラウド達はまだベネスティアの町にいた。
宿は流石に変え、賭博場があった灯台からなるべく離れた所に居場所を移している。
その宿には、虎と獅子、それからリスも。
「…悪いわね、また迷惑掛けちゃって」
そう律儀に謝るベルナは未だに従業員服のままだった。
椅子に座り、フィリアの入れた紅茶を両手で握ってやや俯く。
すると、そんな彼女に向かって向かい側に座っていたラウドは珍しく口端を上げた。
「まぁ、色々あったからな。落ち着くまではゆっくりしろよ。つっても、明日には俺達はこの町出るだろうけど」
賭博場から逃げたあの時、ベルナやルヴィ、リスタはそのまま手ぶらで逃げて来ていた。
その為、彼らは完全なる一文無し状態。
辛うじてベルナが預金場に少なからず金を預けていたらしいが、それを引き出すにも今日にならなければ出来なかったのだ。
「…ソナタらには世話になりっぱなしだな。何か恩を返せれば良いのだが」
壁際に腕を組んで立っていたルヴィがポツリと言葉を落とす。
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