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すると、窓の縁(へり)に腰を掛けてタバコを吸っていたアイルがケラケラと笑った。
「アンタもお堅いっスねぇー。んなに気にする事じゃねーよ。な?ラウド君」
いきなり話を振られ、ラウドは頬杖をついてしらーっとした眼差しをアイルに向けるも、力無しに息をついた。
「…まぁ、別にアンタらの為にした事じゃねぇしな」
「しかし、助けられた事には変わりない」
頑として意志を曲げないルヴィに、ベッドに座っていたフィリアは小さくため息をつく。
そして、ゆっくりと腰を上げた。
「なら、御言葉に甘えてお礼をしてもらいましょう」
まさかの彼女の言動にラウドとアイル、ルースはぱちくりと瞬きを数回。
一番遠慮をしそうな彼女が、何故か真っ先にルヴィの言葉を受け入れようとは誰も思わない。
同じくベッドに座っていたルースはまじまじとフィリアを見上げた。
「珍しいではないか。貴様がそんな事を言うなど」
「まぁ、たまにはって事にしといて」
ニコリと笑い、フィリアはそのままベルナに近づく。
「そういう事なので、すみませんが買い物に付き合ってくれませんか?」
「え?あたし?」
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