§46 The cogwheel has not engaged yet

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「…そうでありました。ラウド殿達には言っておりませんでしたね」 「あ?何が?」 突然の隣からの暗い声にラウドはやや眉をひそめた。 すると、リスタは顔をしかめながら口を開く。 口からはみ出る前歯が動いた。 「姐御もルヴィ殿もファミリーネームを捨てました。けど、我が輩にはれっきとした名前が付けられているであります」 "れっきとした名前"──? それはリスタという呼び名ではなくて、、        スクワーラル 「我が輩は"混獣生命体"実験成功体ナンバーゼロワンであります」 一度聞いただけではよく分からないような、妙に耳障りな単語の羅列。 「スク…は?」 アイルは眉をひそめ、思わずタバコを口から出した。 「ふん。随分と洒落た名前ではないか」 ルースだけはふざけ調子に流すが、流石のラウドも不機嫌そうな雰囲気を醸し出す。 しかし、一番不機嫌そうなのは壁に寄りかかっている男だった。 「おい、リスタ…」 「いいんであります」 何やら文句を言いた気だったそんなルヴィを、リスタは直ぐに言葉を挟んで黙らせる。 .
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