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それでも、ラウド達には何となくリスタの強い意志が読み取れた。
だから何も言わない。
何も反論しない。
反論しては失礼ではないか。
「皆さん頑固もんだねぇー。そんな頑固もん共には豪華な息抜きをやろうか」
ふと陽気な声があがったと思えば、アイルはズボンに付けていた沢山のアクセサリーの中から一つの指輪を取り、魔力を込めた。
空中に現れた巨大なジッパー。
アイルはその中に手を入れ、何かを取り出した。
「へっへーん、こりゃ俺様が昔集めてた年季の入った上物だい。たまには女無しの男同士で飲み語ろうじゃねーの」
その手に持たれた物は酒瓶。
ジャラッと手首の沢山のアクセサリーが揺れ擦れた。
ルースは目をキラキラと輝かせているのに対し、ラウドは頬杖をついたままあまり気乗りではなさそうな表情。
しかし、ルヴィの小さな鼻笑いにラウドはふと目を丸くした。
「そうだな。たまには羽目くらい外そうか。な?リスタ」
「ルヴィ殿!我が輩も交ざって良いのでありますか!?」
意外にもアイルに賛同したルヴィに思わずラウドは息をつく。
しかし、その口端は上がっていた。
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