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今はただその一心で階段をかけ上がった。
そして、教室に入った。
その瞬間、私の身体に激痛と衝撃が走り、壁に叩きつけられた。
「っ……」
残虐にもクラスメイトは私を仲間だなんて思っていないことくらい自覚しているつもりだった。
だからどんなことでも耐えられると過信していた。
「あっ……ぐっ……」
折れている骨が何かに食い込んだのか、痛みは引かずにずっと胸を苦しめていた。
「入ってくんなよ」
ふと言われる言葉は私にとっていつものことである。
私の居場所は此処にはない……
そう再認識して私は教室を出ようとした。
「お前らいじめなんてくだらないことやってんじゃねぇよ」
聞き覚えのある声が教室にいる生徒たちに響く。
声の主は何を隠そう山島伊吹である。
私はこの時、後悔と喜悦の念を持った。
関わらせてしまったという後悔と、こんな私をかばってくれた嬉しさという両方が私の胸をいっぱいにする。
しかし、この直後の出来事に私は絶望するなんて、この時にはまだ知らなかったのだから……
私はなぜ嘆いているのか……
そんなことわかっているのに、私はかが見込んで少年の名を叫び続けていた。
話は正直信じられない方向に動いた。
血塗れな存在が私の前にいて……あれ?……笑ってる?
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