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「さっき言ってたことだけど、私は全て知っているわ、あなたが男だってことも、女装しなきゃいけないことも、ね」
「みゅう」
どうやら悪い人ではなさそうなので、一回鳴いて、あとは黙って話を聞くことにした
「理事長からは、私があなたを表立って助けろ、と言われているわ、もちろん、そうするつもりだし、弱味を握った気にもならないわ」
ありがたいが、どうしてそんなにしてくれるのだろうか
「…?何?妙な顔して」
「みゅ、どうして助けてくれるの?」
そう聞くと、紫苑はややうつむき、莉王から視線を外した
「…何か、おかしい?」
「みゅ、ここは女の子の学校なの、僕は男の子なの」
「それで?」
あっさり返されてしまった
「それで、って…」
「あなた、高校生活を送りたくないの?」
頭を横に振る
アウェーではあるが、楽しみでないはずがない
「でしょう?それなら、助けてくれる人には頼った方がいいわ、まぁ、全員を信用しろ、とは言わないけど」
たしかに、紫苑には不明瞭な点が多いが、力になってくれるのなら、ありがたい話だ
「まずは、変な言葉遣いはやめた方がいいわ、勘が鋭い人には、すぐにばれるから」
「みゅ」
頷く
「あと、胸は触らせていいけど、股間だけは絶対に触らせないこと…わかるわね?」
こくこく
「それから、女の子からのスキンシップに慣れること」
「…みゅ?」
それは、どういうことだろうか
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