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そして三時間後
私立朱雀学園
理事長室
「…は?」
英俊は目を点にした
「だから、ここは『女子校』だ、って言ってんの」
「…すまない、何かの間違いじゃないか?」
「間違ってんのはあんたの頭、朱雀学園は創立百年以上の完全女子校だもの」
理事長
武田 陽子(タケダ ヨウコ)は窓の外を指して、鼻を鳴らした
「多分、あんたは千葉の『鳳凰』学園と間違えたの、あっちはばりばり男子校だから」
「そんな!今の時期だと、後期入試も終わってる!今から他の学校には」
「行けないわね、残念だけど、その可愛い子、中卒浪人になっちゃうわ」
椅子に座り直し、陽子は、理事長室の装飾を見てはしゃいでいる莉王を見つめてため息をつく
「私としても、何とか力を貸してあげたいとこだけど、ここは女子校、男子の入学なんて認められるわけないわ、勿論、明日から共学です、なんてのも無理」
「…そんな…」
英俊が爪を噛んだ
その様子に、陽子は、くすり、と笑った
「…変わんないのね、その癖」
「…今は関係ないだろう」
「うん、そうなんだけど、…昔のこと思い出しちゃって…」
おや?
「…中学の時のことなんて、いやホントに忘れろよ!自分でも思い出しちゃってちょっと恥ずかしいじゃないか!」
「せっかくだから、息子に聞かせれば?おもらし事件」
全容を聞かずとも内容がわかる事件名ですな
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