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「ごきげんよう」
「あら、久方ぶり、どうでした?春休みは?」
「えぇ、三人で、パリにおられるおじ様の家へ…」
「それはよかったわね、私は日本から離れられなくて…、会社の運命を左右する商談が中間にあったものですから」
「それで、どうでしたの?」
「なんとか成功しましたわ、ひとまず、胸を撫で下ろせましたの」
皆さん、勘違いの無いように言うと、これは女子高生の会話です
そう、朱雀学園は俗に言うお嬢様学校
理事長は代々、超有名財閥武田家で、長い歴史を持つ、超名門校だ
この学校から世界に羽ばたいていった次代の先駆者は数知れず
その娘、孫が再び朱雀学園へ
根っからのお金持ち学校なのだ
そこに、ちまちま、とかわいらしく歩く子供
ちっちゃな赤いリボンに有名なデザイナーの手掛けた制服、もちろんスカート
「あら?貴女…」
すたすた、と前髪ぱっつんのロングヘアーの生徒が近づいてくる
清楚で、まさにお嬢様!という感じ
くるり、と振り返る
「ここは高等部ですよ、小等部はバスターミナルから…」
「失礼しちゃうのですわ、僕は高校生なのですわ」
「え、え?」
ぴゃい、と学生証を提示する
そして、胸のワッペンも見せる
それをじっくり見て、あらまぁ、とまたびっくり
「これはたいへん申し訳ないことを…」
と言って、頭を下げた
「いいのですわ、気にしないのですわ」
てちてち、とまた歩き出す
その横を、今のぱっつん少女が並んで歩く
「貴女、受験組なんですか?」
「みゅ、そうなのですわ」
今更だけど違和感ありまくり
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