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僕には何も必要がなかった。
だってこの世界はどうせ僕の手で壊れるのだから。
すべてが無になるこの世界に必要なものなんて持つ必要がどこにある?
仲間も学歴も名前も生年月日もなんだっていい。
自分さえいればなんだっていい。
そう言うと千種や犬は悲しそうな顔をするけど‥心からそう思ってる。
だからこれからも―…
「骸!骸の誕生日って今日なんだよな?」
何故こいつがここにいる。
ここは黒曜ランドのはずだ。
クロームが珍しく僕を呼んだ。
闘いっていうわけでもないのに、だ。
そして目の前にいるのは、敵であり、標的であり、ボスである憎き沢田綱吉。
(この間までは僕のことを怖そうに見ていたのに)
警戒心がまるでない、とため息をつく。
ヴァリアーと闘っているときまではちゃんと警戒していたのに。
この子は戦闘の経験を持つたび、甘くなっていく気がする。
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