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夕食を終え、お風呂を出て部屋に戻ると、先にお風呂から戻って来ていた春菜が大好きなママゴトで遊んでいた。
「はい、ちーちゃん。まぁ、ダメよ。そんな所で眠ったらカゼひいちゃうわよ」
一生懸命お母さんの真似をしている春菜の前を通り過ぎ、布団に向かおうとすると、春菜は突然大声を上げた。
「あぁー!!ちーちゃん踏んだ!お兄ちゃん、ちーちゃん踏んじゃった」
急に変な事を言う春菜に僕は戸惑った。
でもいつもの独り言だと思った。
だってここには春菜と僕しか居ないのだから。
その日の夜。僕はカタカタと言う音に目が覚めた。
今はまだ夜。家の中の人は誰も起きていない。
もちろん僕の隣で眠っている春菜も、スースー寝息を立てて眠っている。
でも、確かに聞こえた。何かの音を。
「ふぁ~。やっぱり気のせいかな?」
眠気には敵わず、僕は大きな欠伸をした。
そして聞こえた音を無視し、二度目の眠りについた。
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