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「……っ、武、お前…馬鹿かよ!!」
読み終わった手紙を床に叩きつけて、俺は怒りのあまりに上がった頭の熱を持て余して、髪をグシャグシャと掻き毟った。
「どうして…どうしてっ!!」
叫ぶように言葉を発すると、喉がヒリヒリした。
そういえば、最近大きい声を出していなかったな、何て…そんな馬鹿な事を思った。
はぁ、と息をついて、叩き付けた手紙へと目線を移す。
そこには、何度も何度も、武独特の右上がりの文字で『頼む』って繰り返されていた。
「俺が…、お前と…、一緒に戦う事を望まなかったのは。この為かよ…っ!!」
苦しかった。
グシャグシャな頭の中が、喉が、胸が……心が。
でも、武が言っていた【knight-ナイト-】の存在は、それだけ強大だったって事は俺にも理解できた。
…瞳を閉じると甦る。
あの、真っ黒な男――…。
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