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俺の怒りの矛先に居るのは。
白い羽を持った鴉。
俺が唯一【knight-ナイト-】で知っている、あの不敵で妖しい雰囲気を持つ真っ黒な男だけだった。
「お前の羽をもいで、地表に叩きつけてやる。」
天使みたいな真っ白な羽を落とされたお前は、一体何になるんだろうな…。
そうして俺は、一週間後に迫った入学式の為に、武の部屋にあった荷物をダンボールに全て詰め込んで学園に送りつけた。
箱の中には、俺がこの容姿を嫌っているって知っている武が用意してくれた、黒いカツラと、黒いコンタクトが入っていた。
更に、その格好用に黒い…強烈にダサい眼鏡も入っていて…。
まぁ、男しかいない学園らしいしな。
自分で嫌ってる、この女々しい容姿で目を付けられるのも嫌だった俺は…
その黒いフチの眼鏡を装着する事にした。
そんなこんなしている内に、日にちは過ぎて行って――…
入学式の前日、って時になって、俺は学園の寮に入寮すべく、重たい腰を上げた。
鞄に入れているのは、武が俺の為に用意しておいてくれた金と、武の両親が時々振り込んでくれるらしい通帳とカード。
それから…
光一、雅幸、紅蓮の名前と電話番号を入力した携帯だけだった。
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