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「うっわ…何ここ。どこコレ。」
ズゥウウン、という効果音がまさしく似合っている。
その学園は、俺が思っていた以上にでかかった。
――…忘れかけていたけど、武って頭良いし結構家も裕福だったんだよな。
でも…
「だからって王城はねぇだろ…。」
ズウウウゥン、と重厚な効果音が合いそうなその学園に、俺は呆然としていた。
正直、ここでアイツを…【knight-ナイト-】の奴らを見つけるって宣言したけれど。
こんな学園…一体何人の生徒が収容されてるのか分かったもんじゃない。
探す気力が失せた訳じゃないけれど、数週間程度で終わると思っていた俺は甘かったようだった。
取りあえず、学園の案内書に書かれていた地図に従って俺は歩き出そうとした。
「おい。」
「…。」
「おい、そこの真っ黒な…お前。」
「…。」
真っ黒な、お前?
俺の髪は真っ黒じゃないし……、まぁ、人違いだろう。
そう思って歩き出した俺は、自分の髪が今はカツラ付きだって事を完全に忘れていた。
「…面倒だな…。」
チッって舌打ちが聞こえた。
すっげぇ口が悪い奴だな……、何て思っていた俺の肩が、そいつによってグイッって引かれる。
「おい。…お前だよ、お前。」
「は…?俺?」
俺真っ黒じゃねぇし。
そう続けようとして俺はとっさに口をつぐんだ。
忘れてた…、今まで【白-シロ-】に居たから、いつもカツラなんて付けてなかったし。
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