終幕-エピローグ-

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「たーだいまー!」 「すまん…少し紅蓮が壊したようだ…」 「こーちゃん荒っぽい…」 「まーまー俺の愛しのハニー達、そう言わんと!」 「「キモイ…」」 ばっさりと切り捨てられて、 バタンッと畳の上に倒れ込む真っ赤な髪の人物。 背中には、なぜか…シンや俺の様な真っ赤な羽。 そして、それは黒い髪の人物の背中にも、 金色の髪の人物の背中にも…同じように生えていた。 未だに呆然とする俺たちに、 真っ赤な髪をしたふざけた“ソイツ”は顔を上げて、 正座をすると、ポリポリと鼻頭を掻いて口を開いた。 「ちょっと…俺の力(ちから)が何かしらんが目覚めてしもて…。そんで、二人を助けたらしい」 意味が分からない。 けど、どうやら目の前のそいつは、幽霊でもゾンビでもなく… 本物の人間だということ。 それだけは困惑する俺の頭にも理解できた。 真っ赤な髪の男に同意するようにコクコクと頷いて、 二人は赤い髪の男の横に座った。 それを横目で確認して、 鼻頭をかいていた男は、ペロッと舌を出す。 「ただいま帰還しました」 紅蓮のその台詞に、 やっと覚醒した俺たち。 その後に… おせぇよー! 馬鹿やろー! 心配しただろー! 意味わかんねぇんだよてめー! と罵る俺の声が… 熱い熱い夏の始まりの日に、 空高く… 木霊していきました。 【白い羽の鴉】END
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