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「思うんだけど。」
「何だ?」
「俺が作るよりも、シンが作ったほうが…うまい物が出来る気がする。」
「お前…どれだけ料理の腕が最悪なんだよ。」
武を怒らせるくらいは最悪だと思う。
「まぁ…仕方ねぇな…。今日くらいはまずい飯でも勘弁してやるよ。」
「…明日からは?」
「お前つれて食堂行く。」
なるほど…
つまり、この学園の便利機能をちゃんとフル活用しようって思ったわけだな。
「シンも、飯つくれよ。」
「…あ?」
「俺に任せておいたら、どうなるか知らねぇぞ。」
「…。」
二段ベッドの上から、何か言いたそうにしていたけれど、シンはそれ以上口に出さずに、ベッドから降りてきた。
多分、俺の目を見た奴は悟ったんだ。
こいつは本気で言ってる。
本気の本気で…
確実にマジで…、料理が出来ないんだ、って。
その日、昼食は目玉焼きと海老を黒こげにしたモノと、醤油で適当に味付けした肉を食べた。
この世の終わりかと思うくらい、まずかったです。
それから…
部屋に散乱しているダンボールを片付けて、その日は終了したのでした。
ついでに夜は、残りの食材で黒いナニカ…を作り上げました。
そして、それもまた…
この世の終わりかと思うくらい、まずかったです。
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