第一問・バカと実力と転校生

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キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン―… 鉄「―よし、授業を終わる。提出物はしっかり出すように。出さなかったら…―補習だ」 鉄人が去り際に険しい顔をして言った。 「さあ!!宿題宿題!!」 「よっしぁ!!頑張るぞ!!」 クラスのみんなが宿題をやり始めた。鉄人の補習は、誰でも嫌だ。 僕と雄二も去年、数百回お世話になったけど、いまだに慣れない地獄だ。 明「………」 遼「……何だ?」 明「あのさ…数学は誰にも負けないって言ってたけど、何点ぐらいなの…?」 遼「ざっと589点だ」 ……はぃ? 明「589点!?」 たしか最高得点数は、今年から600点に変わったはず…。 その中の589点!? 普通にAクラス、いや、霧島さんはたしか534点… 霧島さんをも抜いているじゃんか! 雄「へぇ、それはすげえな」 明「雄二!今の聞いた!?」 雄「あぁ、聞いてたぞ。で?何でそんな奴がFクラスに?」 遼「他の教科が悪いからじゃないか?」 雄「例えば?現国は?」 遼「28点」 あっ、壊滅的だ。 雄「……世界史は?」 遼「11点」 雄二の表情が険しくなってきた。 雄「…………英語…」 遼「4点」 雄「ようこそFクラスへ」 あっ、バカと暫定した。
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