1092人が本棚に入れています
本棚に追加
桜の花が満開になり、それが散りはじめたころ、文月学園は始業式を終えた。
そして、次の日。クラス振り分け発表の日。
明久「あ~、今日から受験生か~…」
登校中に、一人の男が呟く。
吉井明久。
二年生の時に、バカの代名詞である《観察処分者》にされてしまったバカ。
雄二「お前に受験なんて似合わねーな」
後ろから野太い声が聞こえた。
坂本雄二。
赤いたてがみと筋肉質な体つきの、元・二年Fクラス代表。
明「雄二ひどいじゃないか、それじゃ僕が全く勉強してないみたいじゃないか!」
雄「まぁそう怒るな、事実だろうが」
ごもっとも、全くやってない
明「けど今回の振り分け試験はDクラスは絶対行けるよ!」
雄「そうか、お前はDクラスか、じゃあな明久。今回は別のクラスだ」
明「えっ、まさか雄二、AかBクラスぐらい!?」
雄「さぁな?」
余裕を持って返事してくる。
そうとう自信があるようだ。
そうこうしている間に、僕らは文月学園の正門に到着した。
正門には去年すごく世話になった、西村先生―もとい、鉄人がいた。
最初のコメントを投稿しよう!