死すべき運命なのだと

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    「また余計な事、考えてんな」 その声に、少し 体が震えた。 ぎゅ、と 抱きしめ返せば 頭上からは 大きな溜息。 「‥ばぁか。お前がそうやって考える度、俺も苦しくなるんだぞ?」 呆れた様な声で言われ 顔を上げると 彼は、苦く笑う。 「人は皆、いつか死ぬんだよ」 ぽん 頭に手を乗せられ 目頭が熱くなる。 「それが少し、俺は早かっただけなんだ。‥そう言う運命なんだよ」 くしゃ、と 頭を撫でられ もう 我慢ができなくなった。    
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