始まりの風

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身慣れた住宅地を歩いていく。 今日は土曜日。空は青く晴れ渡っていて、ちょうどいい散歩日和だ。 「うーん、いい天気」 空に向けて手を伸ばし額にかざす。 太陽の光で少女の黒髪が白く反射していた。 片側の髪は白い紐で編み目のように結んでおり、膝丈の白いワンピースに青のジーンズをはいている。 少女は今年で十五歳になったばかりだ。 「伊達男、絶対に許さない」 ぎゅっと拳を握り締めて、苦痛に頬を歪めた少女――九条未夜(クジョウミヤ)は今日の出来事を思い出していた。 基本スカート類をはかない未夜に、もっと女の子らしくしろと言って伊達男がスカートを勧めたのだ。
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