始まりの風

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断ればすむ話なのだが、伊達男(伊達眼鏡をかけているから)は未夜の頼まれたら断れない、性格をついてはかせたのだ。 「うわー、何これおもしろい」 不意に緊張感のない声が未夜の耳に聞こえる。 声がした方を見れば、黒髪に赤い目の男が公園のブランコで遊んでいた。 初めて見た、赤い目を持つ異国の人を。その外国人は奇妙な格好をしていた。 闇のように黒い外套は、魔術師が着ているものにどこか似ている。 その外套には白い線が二重に重なり合う円が描かれていた。 よく見ればその男は人離れした美しい顔立で、今は座ってブランコを漕いでいるが背もかなり高そうだ。 未夜は迷った。このまま公園の中に入っていいものかと。
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