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次の日。
少年は鉄の臭いを感じながら目を覚ました。
ふと、寄りかかっていた壁の方に視線を向ける。
すると、ボロい小屋の隙間から赤い液体が流れていた。
ぎぃ、と音がして、掘建て小屋の扉が開かれる。
と、当時に生臭さが少年の鼻を突く。
「……………」
小屋の中で見たのは、全身包帯だらけで血を口から流し倒れている、誰かの死体であった。
死体の横に目を向けると、血文字で「present for you」と書かれた机が目に付く。
そして、その机の上には。
「香水の香りよりも、火薬の匂い、か」
とても精巧な作りをされていると一目で分かる様な、見事な拳銃が置いてあった。
少年は笑うでも泣くでもなく、ただひたすらに無表情なまま、銃を手に取る。
「……おやすみ、おっさん。良い夢を」
最後にそれだけ呟いた少年は、また戦場へと駆け足で戻って行った。
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