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街は寝静まり、僕らを照らすのは星明かりだけ。
天体観測のため選んだ新月の今夜、彼らに頼らなければ何も見えない。
不安そうにたたずむ彼女、手を握ろうとのばしかけた手を僕はすぐに引っ込めた。
思春期真っ只中の少年にとって、女の子に触れることはとても勇気がいる。
特別に仲のいい彼女に対しても、あのころの僕はその勇気を持てないでいた。
それでも僕は、早く彼女の不安を消しさりたくて準備の手を早める。
手招きで彼女を呼び、設置した望遠鏡をのぞかせた。
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