第2章

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その日、家族と来いという連絡を受けた俺は、兄貴と二人病院に向かった。 診察室の前で待っていた俺は、悪い胸騒ぎと、入院になったとしても大したことないだろーという思いが交錯してた。 名前を呼ばれ、中に入る。 ドクターの前に座ると、カルテを眺める表情の険しさにゾクリとした。 「検査した結果ですが・・・すい臓に腫瘍の影が見られます。問診で言われた頃から発生した事を考慮すると、進行の速いものと考えられます。即入院して治療した方が良いでしょう。」 は?なんだよ?俺、元気だぜ?俺の腹ん中に何があるんだよ! 「それはここで治療出来るんですか?」 兄貴が隣で青ざめながらもドクターに聞いている。 「ここで出来ない事もありませんが、専門病院で治療した方が色々と対応が充実しています。少々遠方になりますがそちらに紹介状を書きますか?」 「どうする?幾らでも専門病院の方が良いらしいぞ?紹介状書いて貰うか?」 兄貴が俺に話しかける。 「あ・・・うん。ここいらで入院してたら、仲間らがうるさいし・・・な・・・」 真っ白になった頭で俺はそう答えていた。 兄貴は紹介状を書いて貰い、ドクターに直接先方に電話をかけてもらい、入院の日にちを決めていた・・・
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