第3章

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髪の毛ペシャンコでヘンテコだからさーなんてふざけたものの、ちゃんと気持ちは言わなきゃいけないよな・・・って思い直して撫子にメールをした。 [俺さ。今になって思うんだ。撫子の写真貰っといてなんだけど、顔も声も知らない方が良いんじゃないかって。 撫子は今の俺にとって一番大切で、心の支えで、だけど一番会いたくない人なんだ。 もし、リアルに彼女が居たなら、きっと別れてたと思う。 そんなこんな色々考えて、やっぱり撫子と俺はメールだけで充分なんじゃないかって思うんだよ。 ごめんな] 撫子は[わかった]ってメールを寄越した。ホントは欲しかったんだろう。けどそれ以降一度も欲しいとは言わなかった。 そして、変わらずメールをくれた。 メル友の域を越えず、ちょっとふざけながら・・・ ** 週末。 検査の結果が出て、今後の治療計画が告知された。 あからさまになる現状と、負けてられるかって思い。 なんとかなるべ? でもちょっとヤバイかな? なんていろんな思いが交錯する。 日曜日は兄貴が街に出ようと誘ってくれた。 [今日は兄貴が街に出ようって言ってくれたんで外出してきます!] って撫子にメールした。すると [良かったねー 行ってらっしゃい! けど、いま「外出」してきます。を「外出し」してきますって読んじゃって、一人で笑ってしまった(笑)] と、返信が来た。 相変わらず、笑わせてくれた。
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