第3章

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翌日から、放射線治療と、抗がん剤投与が始まった。 放射線治療は腹じゅうに引かれた線を基に機械で放射線を浴びせるだけだから、大したことは無いのだが、抗がん剤投与がこんなにキツいとは思いもよらなかった。 とめどなく襲う吐き気、倦怠感。 側に撫子がいなくて良かったと思った。 こんな姿カッコ悪くて見せられやしない。 放射線治療をする前後は撫子とメールをする余裕はあるのだが、抗がん剤投与が始まると、メールをチェックするだけで精一杯だった。 1日目、2日目と、そのダメージは強くなっていく。 それでも朝にはなんとか起き上がり、自分を保って居られた。 メールが間遠になることで、撫子は気づいたようだった。 [抗がん剤治療って、吐き気とかでキツいんでしょ? 大丈夫なの?] そんなメールをよこした。 [実はめっちゃキツい 投与が終わって少し経つと楽になるんだけど、投与中はほんとゲーゲーなってさ(-.-;)] [うん。 テレビとかで見たことあるし、本なんかでもね。副作用がキツいって・・・・] [けどまぁ、これでおさまって、小さくなるならめっけもんだし! その時間だけ我慢すりゃ良いんだしな!] 実際2~3日のうちはそう思っていた。
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