第3章

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土日になると投与はなくなるから、幾分体が楽だった。しかし、見舞いに訪れた兄貴は、すっかり顔つきが変わってしまった俺を見て、かなりショックを受けた様だった。 元々、細マッチョ系だったのだけど、頬は痩けて、憔悴しているのは目に確かで。 それでもまだ、自分の足で歩く事は出来たから、外出許可をもらい、郊外のショップに連れていって貰った。 しばしの気晴らし。 何時間も出歩いた訳ではないのに、日曜日の夜はめちゃくちゃ疲れて、いつもは眠れずに不安に襲われた夜も、あっという間に朝になっていた。 月曜日の朝に [昨日はいい気晴らしになった? でも疲れちゃったんじゃない? 大丈夫?] と、撫子からメールが入った。 もしかしてどっかで見てるんじゃ?なんて思ってしまった。 [おーおはよー やっぱり、体力落ちてるみたいで、スッゲー疲れた(-.-;) 入院してきた時の服しかなくて、めっちゃ寒いから、兄貴にジャンパー買って貰ったよー] [最近寒くなってきたもんねー 病院の中は空調きいてて、外気温わかんないだろうしね(笑) けど、いい気晴らしになったんじゃない?] [おお! 今日からまた頑張らねばなー] そして俺は放射線治療を受け、抗がん剤投与を受けた。
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