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撫子に手術の事は言わないと心に決めたのだから、もちろん当日も朝のメールに
[検査に行ってくるからしばらく携帯から離れるよ!]
とだけ書いた。
[いってらっしゃい!]
という撫子のメールに見送られ、俺はストレッチャーで運ばれた。
徐々に朦朧としていく意識。
あー。もう一度撫子の写真見ときゃ良かったー
ふと、頭をよぎったが、すぐに意識は遠退いて行った。
意識が戻ったのは夕方になってからだった。
着信を知らせるランプが点滅している。
ああ。撫子。俺はまだこっちに戻って来れたよ・・・
体・・・・動かないから、メールもう少し待っててな・・・
どれくらいそうしていたか、麻酔が切れてくると、今度は痛みに悩まされた。
今までも充分過ぎるくらい痛みには耐えて来たけど、やっぱり切り刻むとまた違う。
鎮痛剤と、抗生物質の入った点滴に
「ホントに痛み止め入ってんのかよ!」
と、悪態をついてみる。看護師が体温を下げる為に氷枕を頭や脇にはさみに来るが、あっという間にぬるくなってしまう。
気づくと明け方だった。
[おはよー撫子
変な時間に目が覚めちゃったよ!
昨日はメール返せなくてスマン]
しばらくたって撫子からメールが入る。
[おはよー
良かったー。この前痛みがって言ってたから、心配してたんだよー]
何も言わなくても、結局撫子には心配かけてるんだな・・・俺は苦笑いするしか出来なかった。
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