第4章

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[撫子。俺、昨日個室に移されたんだよ。 俺、そんな悪いのかな? 死んじゃうのかな?] [なに弱気になってるの? 抵抗力が落ちてるのは確かだもの、お見舞いの人から悪い菌が移らないようにって事じゃない? つか、死にそうに具合悪いの?] [それほどでもないかな?] [じゃ大丈夫でしょ!] 実際、あんま良くないのは確かだった。 携帯を持ち上げる腕に力が入らないし、体温も微熱より少し高い感じで推移してた。 身体中も痛かったし。 うつらうつらして、昼夜の区別がつかない時もあった。 撫子から [朝ですよー] というメールが届いて、あっそうか、朝か・・・なんて思ったりもした。 そして、なんとか空メールを返したりして1週間。そして土曜日。 もう、携帯を自力で打つことは出来なかった。 撫子から来たメールを兄貴に開いて見せて貰い、簡単な返信をしてもらった。 俺が最後に打ち込んで貰った言葉は、運転して出先に向かう撫子に [きをつけろよ] と、一言だった。 撫子からの返信は [ありがとう 好きー♪] だった。 俺は目頭が熱くなった。 撫子が初めて好きって言ってくれた。 それだけで幸せで、それが別れの言葉にふさわしい。 好きだから、サヨナラだ。 そして、俺は兄貴に言った。
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