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実はその頃、夏に受けた会社の健康診断の結果、精密検査が必要だという通知を受けていた。
いつの頃からか、腰の奥に鈍痛を感じる事があった。仕事中も、昼寝するとなかなか目が覚めず寝過ごしてしまう事があった。
まあ、得意先をまわり、会社に帰り文書作成だけすればいい状態になってから昼寝するから、何時であっても、帰って事務処理すれば良いだけだから大丈夫だったが・・・・
今になって思えば、それが危険信号だったんだろうな。
だけどまさか自分が病魔に冒されているなんて思っていない俺は、撫子とメル友になったことをただ喜んでいた。
そして数日後、撫子は奴に別れを告げるメールをしたとブログに書いていた。
返信は無いと言う。
つい何日か前に、デートらしいデートをしたと嬉しそうに書いていたけれど、やはり、まるっきりメールが来ない事がネックになっていたようだった。
これでは体だけの付き合いでしかない・・・
そんな悲痛な叫びを読んで俺はメールした。
[あのー。
ホントに彼と別れるの?]
[そうだね。頑張ってメールするからって返信くるわけじゃないみたいだし。]
[泣きたかったら俺の胸いつでもあいてるよ!]
[あはは
ありがと。]
知らない撫子の顔が泣きそうな微笑みを浮かべている姿が目に浮かぶようだった。
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