Vol.2

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ある晩、インターホンがなった。 今どきならカメラ付きインターホンで、相手の顔が解るのだが生憎、私の家にはそんな素晴らしい物なんて無い。 テレビだってカチカチ回すタイプだと言うのに。 魚眼レンズからドアの向こう側を覗くと、下の老人が立っている。 「はい?」 とレンズに目を当てたまま訪ねると、老人は何も言わず今度は拳でドアを叩きだした。 バンバンバンバンッ! 「うわっ」 とっさにレンズから離れ、ドアを凝視した。 「いるのはわかってるんだよっ!出てこい!話をしようしゃないかっ!」
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