風の音(かぜのね)

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田んぼと田んぼの間の道を歩く少年が一人いた。 「あ!眼帯忘れた」 少年は、自分の左目にふれて思い出す。 手には重そうなバッグが持たれている。 「なんで、俺がこんな所に来ないといけないんだか」 少年は、一人愚痴をいいながら歩いている。 只今少年は最後の家を見て二十分は家を見ていない。 見ているのは緑広がる田んぼのみ。 「道を間違えた?」 少年は、立ち止まると両目で自分の歩いてきた道を振り返り考える。 いっこうにつかない目的地を目指して。 道に迷ったのであれば、誰かに尋ねればいいのだが、周りに人は一人としていない。 「歩くしかないよな」 そんなことをいって再び歩き出す。
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