風の音(かぜのね)

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そんなとき突然後ろから叫び声が聞こえる。 「どいてーーー!」 女の子の声だった。 少年は、左目を閉じ振り返るが、すぐに後悔する。 後ろからは自転車に乗った少女が眼鏡をグラグラさせながら自分めがけて走っている。 ボーイッシュな少女は足をすごい動かしている。 ものすごいスピードはそこから出ていくのだろう。 しかし、問題はそこではなかった。 走ってきている少女は目をつぶっていた。 どかっ、がしゃん 少年と少女の乗っていた自転車は見事にぶつかる。 少年はとっさに自転車の間にバッグをはさんで直接ぶつかるのを防ぐ。 ぶつかった場所で尻もちをついている少女に対して少年はというと。 少年は、田んぼに落とされていた。
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