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それだけで十分だと思ったのだが、里田はまだ好奇心一杯の目をしている。
私は十分。
早くこの場所を離れたかった。
里田がまた顔を覗かせた。
『…………』
しばらくの沈黙。
とは言っても、1~2秒程だったかも知れない。
しかし、私達の時間はかなり永く感じた。
里田が突然、腰を抜かした。
鳴咽しながら地を這って私のもとまで来た。
『やばいって。マジでやばい。』
何が何なのか解らないまま私もトイレをそっと覗き込んだ。
死体。
こんなホラー映画じみた事があるのだろうか?
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