10人が本棚に入れています
本棚に追加
私の頭がぐるぐると回りはじめる。
何度も否定を繰り返しては死体をみる。
正気をうしなっていたのかもしれない。
里田もぼーっと見ている。
もしかしたら、ただの悪戯なのでは?
そう思いながら、もう一度ゆっくりと顔を上げた。
紛れも無く死体だ。
地面からは離れて、首で体重を支えている。
いつか聞いた事がある。
首吊り自殺は筋肉が緩んだ為、糞尿を床へ垂らし、だらし無く開いた口、そこから覗かせる舌は、だらんと首の半分程まで出てきている。と。
確かにその通りだった。
よく見るとそれは こぶへい だった。
確信した途端に胃の中が暴れまわり、嘔吐を繰り返す。
嘔吐しすぎて、出るものも無いのに鳴咽がでる。
最初のコメントを投稿しよう!