Vol.3

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私の頭がぐるぐると回りはじめる。 何度も否定を繰り返しては死体をみる。 正気をうしなっていたのかもしれない。 里田もぼーっと見ている。 もしかしたら、ただの悪戯なのでは? そう思いながら、もう一度ゆっくりと顔を上げた。 紛れも無く死体だ。 地面からは離れて、首で体重を支えている。 いつか聞いた事がある。 首吊り自殺は筋肉が緩んだ為、糞尿を床へ垂らし、だらし無く開いた口、そこから覗かせる舌は、だらんと首の半分程まで出てきている。と。 確かにその通りだった。 よく見るとそれは こぶへい だった。 確信した途端に胃の中が暴れまわり、嘔吐を繰り返す。 嘔吐しすぎて、出るものも無いのに鳴咽がでる。
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