Vol.3

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先生の中で生徒達から随分、馬鹿にされていた先生もいた。 英語科目担当の吉川先生だ。 背丈は150センチ程で小肥り。 眼鏡はいつも曇っていて、林家こぶへいに似ていたんで私達は、『こぶへい』と呼んでいた。 こぶへいは空のペットボトルを持っていた。 それで私達を殴っていたのだ。 殴られても痛くは無い。 しかし、今の時代なら体罰だと激しくバッシングにあっていたであろう。 私達の中学の時代は違う。 今の子供は公園の遊具で遊ぶのでは無く、ベンチでひたすらゲームをしている。 架空の世界への扉が何時でも何処でも開く事が出来る世界には、少し恐怖さえ覚える。 喧嘩になれば、すぐに刃物を持ち出し殺人事件へと変わり果ててしまう。
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