Vol.3

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私達は子供の頃、日が落ちるまでよく缶蹴りや鬼ごっこをして遊んだ。田舎なだけあって遊ぶ物が無かった。 今ほどは教育委員会やPTAは騒ぎ立てず、先生ももっと堂々としていた。 だからこそ、ペットボトルで殴られても誰も文句を言わず、 『こぶへいボトル』 なんて言いながら皆笑っていた。 殴られるのはいつも里田であった。 何かと問題ばかりの里田だが、欠席は一度もなかった。 授業は寝て過ごす事はいくらでもあったがその事が教師達の勘に触っていたらしく、すぐにペットボトルが頭に飛んで来ていた。 里田も喧嘩っ早いほうなのは教師も含め知っていたはずだが、里田は怒る事が無かった。 しかし除々に怒りのボルテージは上がっていたらしく、ついに爆発した。 ペットボトルにドライアイスと少量の水を入れ振ると、除々に膨らみだし、ついには爆発へと至る。 里田はそんな感じに思えた。
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