傷痕

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学校生活が始まってから一週間が経った。 「椎名。」 放課後、俺は優と帰ろうとしてると、担任の相馬に呼び止められた。 「何すか?」 俺はそっけなく返事をした。 「お前、サッカー部やるのか?」 相馬は神妙な面持ちをしていた。 「そうですけど。」 俺がまたそっけなく返事をすると、相馬は突然笑顔を浮かべた。 「そうか!見たよ!中学の全国大会!全試合ハットトリック!すごかったなぁ!お前があの椎名だったんだな!?名前が同じだから、まさかとは思ってたけど、部活の希望でサッカー部って書いてあったから確信したよ!」 相馬はすごい勢いで喋っている。 たまにツバが飛んで来てウザイ。 「いやぁ!サッカー部の顧問は俺なんだ!うちのサッカー部は万年地区大会止まりだからな。椎名と中学時代アシスト王の井川に全試合ノーゴールの記録を持つゴールキーパーの澤本がいれば全国制覇も夢じゃないぞ!」 相馬の勢いは止まらない。 って、やっぱ澤本もサッカー部かめんどくせぇ。 「期待してるぞ!明日から練習始まるからな!」 相馬はそういうと両手で俺の肩を叩いた。 ってか痛い・・・。 加減しろよ! 「えぇ、まぁ頑張りますよ。」 俺は相馬の余りの勢いに呆気に取られていた。 俺と達也と澤本は同じ中学のサッカー部だった。 去年、全国大会で優勝したんだ。 俺と達也で点を稼いで、澤本は地区予選から全国大会まで相手に一点もいれさせなかった。 ムカつく奴だけどゴールキーパーとしては超一流だ。 相馬は言うだけ言っていくと大声で笑いながら去っていった。 頭大丈夫か?アイツ。 「なんかすごかったね。」 優も唖然としていた。 「だな。まぁいいや。帰ろうぜ。」 俺と優は何事も無かったかのように校門に向かった。
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